NEXT WEEKEND TO SENDAI 週末仙台

WEB限定企画

仙台駅から電車1本で行ける酒蔵へ
密着ルポ!「サケ女子」ふたり旅(一ノ蔵編)

全国屈指の米どころ、仙台の旅に欠かせないのが日本酒。
宮城県は、米をぜいたくに使用した高品質酒の比率が圧倒的に高く、
個性豊かな酒蔵が県内各地に点在しています。
蔵見学から試飲、おみやげ選び、酒蔵だけの美味しいランチ。
充実の「サケ旅」を密着リポートしました。

(写真・永峰拓也、文・湯田陽子、モデル・高橋杏奈/千葉まゆみ)

伝統的な日本酒はもちろんのこと、発泡性清酒「すず音」や低アルコール清酒「ひめぜん」など、日本酒の新たなジャンルを切り拓いている一ノ蔵。宮城の酒蔵4社がひとつになり、誕生したのは約40年前のこと。以来、定番から高級酒まで、一貫して手づくりの仕込みにこだわり、高品質な日本酒を生み出し続けてきた。

その心意気は、地元・宮城では知らない人のいない「一ノ蔵無鑑査本醸造」のラベルを見れば一目瞭然だ。かつて日本酒の品質を格付けしていた国の「級別制度」に左右されることなく、良質な酒を低価格で提供したい。そんな思いを込めて、昭和52年、無鑑査本醸造をあえて「2級酒」(庶民の酒)として発売。「本当に鑑定されるのはお客様自身です」とラベルに書き(当時)、いわば「級別制度への挑戦」に打って出た。 この挑戦は瞬く間に消費者に受け入れられ、一ノ蔵躍進のきっかけにもなった。

心意気と手づくりへのこだわり。それは、生産量が約20倍に増えたいまもしっかりと受け継がれている。平成5年、酒造りの要のひとつ、良質な地下水に恵まれた大松沢丘陵地の一角に新築された本社蔵。そこには、「良い酒を楽しんでもらうためにも、どんな酒造りをしているのか知ってもらいたい」という願いから、製造工程を一巡できる通路が設けられ、いまでは年間通して蔵見学を楽しむことができるようになった(予約制)。

JR東北本線松山町駅から車で10分弱。山間にたたずむ本社蔵で、はたしてどんな酒造りが行われているのか?サケ好き女子なら一度は訪れておきたい垂涎の旅へ。さあ出発!
(※本企画では、特別な許可を得て、ふだんの蔵見学では立ち入りできない工程も撮影させていただきました)

JR仙台駅から東北本線で松山町駅へ。行ってきま〜す♪

「一ノ蔵でいちばん好きなお酒は?」「大きい蔵だから、どこまで手づくりなのかな?」募る期待に会話も弾み、約40分の電車旅もあっという間に過ぎていく♪

松山町駅に到着!周囲には宮城県の米づくりを支える大崎平野が広がる。「試飲も楽しみだよね!」と、足取りも自然と軽やかに。

本社蔵の正面玄関にかかる大きな「杉玉(すぎだま)」。「酒林(さかばやし)」とも呼ばれ、「新酒ができました」の目印。期待が高まるサケ女子たち!

Report1 伝統の技と心を込めて仕込む手づくりの酒

一ノ蔵の酒造りは毎年、9月下旬から6月にかけて行われる。大きなタンクで毎日2本、杜氏を筆頭に約40人の蔵人が3〜4週間かけて丹精込めて仕込む。その量は、年間約300本、女性に人気の「ひめぜん」「すず音」といった低アルコール酒なども含めるとなんと約500本!石高にして年間1万6000石と、宮城県随一の規模を誇る。今回は、ふだん見学者が立ち入ることのできない場所まで特別にご紹介。一ノ蔵の酒造りの全貌をお届けします!

蔵見学(予約制)

住所:宮城県大崎市松山千石字大欅14/電話番号:0229-55-3322(平日9:00〜17:00)/公開時間:平日9:30〜15:00(担当スタッフが案内)、土日祝10:00〜15:00(担当スタッフなしの自由見学、6中旬〜9月上旬は休み)/入館料:無料/利き酒:あり/JR松山町駅から車で10分(タクシーは要予約、三本木タクシー:0229-52-3131)
http://www.ichinokura.co.jp/kurakengaku.html

1.神棚に参拝

仕込み室に神棚を発見!一ノ蔵を創業した浅見商店、勝来酒造、桜井酒造店、松本酒造店のうち、松本酒造店に代々伝わってきたものだとか。杜氏ともろみの担当者は毎朝、ここでかしわ手を打って参拝してから、仕込み作業に入るという。

2.洗米から蒸らし

原料米を洗って表面のぬか分を落としたら、水を吸わせる浸漬(しんせき)工程へ。吸水時間はお米の品種やそのときの水温で異なり、蔵人がなんと秒単位の調整を行っているそう!その後、ひと晩置いた原料米を一ノ蔵特製の回転式甑(こしき)で蒸し上げる。100℃以上で1時間じっくり蒸したお米から立ちのぼる蒸気は、まるで霧のよう。ほのかに漂う甘い香りに、しばしうっとり。

3.麹室(こうじむろ)

冷ました米を、床台(とこだい)と呼ばれる台の上に乗せ、手でもみ上げながら高さを整える。高さは、室温や米の温度などによって変えるとか。その繊細な加減は、蔵人の経験に支えられている。蒸米は、ネルの布で包んで保温。この日、作業に当たっていた蔵人は入社してまだ数年だとか。ベテランかと思うような手際の良さに、サケ女子もびっくり!蔵人の育成に力を注ぐ一ノ蔵。年間生産量が多いため、若い蔵人でも1年でかなりの経験を積めるという。

4.枯らし

麹菌の繁殖を止めるために、麹を一時的に置いておく「麹枯らし室」。案内してくれた一ノ蔵の浅見周平専務の説明に興味津々。できあがった麹からは、蒸した栗のような甘い香りが漂う。雪のように真っ白な仕上がりに驚くサケ女子たち。

5.もろみを発酵

もろみの入ったタンクがずらり。発酵日数や原料米の種類などによって、香りはさまざま。浅見専務から香りをかぐコツを伝授され、試してみると……「わあ、いい香り!」。
もろみを混ぜる「櫂(かい)入れ」作業中の蔵人に話を聞くサケ女子。もろみから漂う日本酒の香りも手伝って、「取材」にも熱がこもる!通路には「かい入れ」に使われる櫂も展示。「うわ、長い!」「重い〜!」と大はしゃぎ。

6.酒粕はがし

熟成もろみから清酒を濾したあと、残った酒粕をはがす作業も人の手で!この板粕をタンクに詰め直して熟成させた「玉乃粕」は毎年秋から販売。コクのあるまろやかな味わいと使いやすさから、入手困難な人気商品だ。

7.試飲

試飲コーナーで、本日のお酒4種を堪能。「これ、好きな味!」「同じお米からつくっているのにこんなに違うなんて!」風味やコクの違いを楽しみながらピッチが上がってしまうのは、サケ女子ならでは?

Report02 こだわり抜いた酒蔵直営のみやげ屋、食事処

一ノ蔵の本社蔵からJR松山町駅方面へ車を2、3分走らせると「松山酒ミュージアム」と「華の蔵」が見えてくる。ここは、一ノ蔵創業4家のうち、松本酒造店を営んでいた松本家が関ヶ原の戦い以後に移り住んだ地で、建物は松本酒造店の蔵を復元したものだとか。酒ミュージアムで酒の歴史に思いを馳せるのもよし、華の蔵でお土産選びをするのもよし。一ノ蔵本社蔵とはまた違う魅力の詰まった酒づくし+αのひとときを味わえること間違いなし!

住所:宮城県大崎市松山千石字松山242-1/電話番号:0229-55-2700(酒ミュージアム、華の蔵共通)/営業時間:9:30〜17:00(酒ミュージアム、華の蔵共通 ※酒ミュージアムの入館受付は16:30まで、華の蔵は食事のラストオーダー15:00)/酒ミュージアム入館料:大人300円、小学生〜高校生150円
http://www.ichinokura.co.jp/museum.html

酒ミュージアムの外には、人力で動かす「人車軌道」のレプリカが展示されている。人力軌道は大正から昭和初頭まで、酒ミュージアム付近と松山町駅の間を実際に運行していたという。

酒ミュージアムの隣りにある「華の蔵」は、地元・松山の土産物店とお食事処を兼ね備えた施設。地そばや味噌焼きおむすび、酒ケーキ、有機栽培コーヒーなど、松山ならではのメニューを楽しめる。

地元産のそば粉を使った定番メニューのかしわ温ざるを食べて、ひと息入れるサケ女子。独特のコシと喉越しがクセになるかも!?

酒ミュージアムでお土産物選び。大崎市松山は、一ノ蔵を中心に「醸造発酵の地」として地域を挙げて活動しているだけに、日本酒や発酵食品など、食に対するこだわりのお土産物が盛りだくさん。ついつい目移りしてしまう!

酒ミュージアムの周辺は、歴史を感じさせる一角でもある。なまこ壁や古い木造建築も。そぞろ歩きにぴったり♪

Report03 エキナカで旅の最後までサケにひたる

JR仙台駅にエスパル仙台東館がオープンしたのは2016年3月のこと。賑わいを見せるこの新たなエリアに、知る人ぞ知る立ち呑みスポットがある。「藤原屋 みちのく酒紀行」だ。宮城をはじめ東北6県の地酒を豊富に取り揃えている。お土産物探しはもちろんのこと、購入した商品は店内の立ち飲みカウンターで飲むこともできる。しかも、100円で試飲できる自動販売機では、常時5銘柄を提供。仙台を離れる前に、お土産を買いがてら、もうちょっとだけ飲みたい!そんなサケ女子のハートをつかむこと間違いなし、のスポットだ。

住所:仙台市青葉区中央1-1-1 エスパル仙台東館2F/電話番号:022-357-0209/営業時間:10:00~21:00/定休日:エスパル仙台休館日
http://www.kanesa-f.com/storelist/michinoku/index.html

東北の地酒が壁一面にずらり。「美味しそうなお酒ばかりで、どれにするか迷っちゃうね」と言いながら、真剣な眼差しでお土産選び。

100円自動販売機に、大喜びのサケ女子。「あっ、これは!」と真っ先に見つけたのは、一ノ蔵の限定酒「特別純米生原酒3.11 未来へつなぐバトン」。一ノ蔵は東日本大震災の起きた平成23年、東日本大震災復興支援プロジェクト「未来へつなぐバトン 醸造発酵で子どもたちを救おうプロジェクト」を発足。翌24年から毎年、この酒の売上金を全額、被災した子どもたちを支援する基金に寄付している。地域貢献に積極的な一ノ蔵の思いの詰まった酒でもある。

サケ女子おすすめマップ

ご紹介した
スポットはこちら

new

MENU